震災5年目に。
3月11日の震災5年目を迎える日は、岩手県宮古市と山田町にいました。
仮設住宅を1軒1軒訪ねて、お話を伺う、巡回相談。
ほぼ毎週末、全国各地の司法書士が派遣されています。
1年ぶりに訪れて、目に見えて町の姿が変わってきたのは確か。
ガレキ撤去して更地だった町の中心部には、新しい道路が敷かれ、災害公営住宅や新築建物が建ちはじめ、海沿いには巨大な防潮堤が万里の長城のごとくそびえつつあります。
でも仮設住宅での世間話の中からこぼれるのは、計画の遅れに対する苛立ちや、あまりにも形式的に過ぎる印象を与える行政の対応への不信感。
精神的に疲弊している様子は明らかでした。
震災から5年が経ち、もともと高齢者が多かったところに更に年齢を重ねたことで、認知症や引きこもりの問題をかかえているお宅も見受けられます。
ハード面の復興が進む反面、追いついていない心のケア。
気持ちの整理がつかず、前に進めずにいる人もいます。
次の段階へ踏み出す心の準備ができるタイミングは、人それぞれ。
一人一人の幸せが置き去りにされないよう、心への寄り添いがこれからなお必要になっていくことを、確信して帰ってきました。
2016年3月22日9:15 PM〔0件のコメント〕
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