東北被災地で仮設住宅の巡回相談を行ってきました。
被災地では、まだ多くの方々が、簡素な造りの応急仮設住宅での生活を余儀なくされています。
司法書士は、震災直後から、毎週、仮設住宅での巡回相談の活動をしています。
仮設住宅を一軒一軒訪ねて、お話を伺っています。
私はちょうど一年ぶりに宮古へ派遣されました。
先週末の2日間で、他の3名の司法書士とともに、600軒ほどの住宅を訪ねてきました。
この一年でどれくらい復興が進んでいるのか、この目で確かめたいという思いもありましたが、肝心の住民の暮らしの立て直しは、まだまだ遠い道のりであることが見て取れました。
津波に破壊しつくされた街は、震災から4年が経とうとしている今も、ほぼ更地の状態です。
大部分の土地が、災害危険区域に指定され、今後は人が住めなくなる地域となってしまった地域もあります。
もともとの姿が見る影もない風景。盛り土造成工事やインフラ整備、防潮堤の工事が大規模に行われていました。
住宅を建てられるようになるには、盛り土をしてから少なくとも1年ほどは待たなくてはなりません。
多くの場所は、盛り土がまだ始まったばかりです。
仮設住宅に住む方々と直にお話しして感じたのは、仮設住宅での生活が長期化することへの焦燥感。
住宅の自力再建ができない方にとっては災害公営住宅の完成が待たれますが、災害公営住宅の完成戸数は、予定戸数の2割にも満たない状態です。
一日も早く、人々の暮らしが落ち着いたものになることを、願わずにはいられません。
「夫も息子も全部流されてしまったけれど、おかげさまで自分は生きていられる。
仮設住宅に住めるだけで十分ありがたい。
何も不満なんて言えません。
私は先がないからここで一生を終えることになってもいいけれど、若い人たちのこの先のことを思うと心配だ。」
そう言って涙された年配の女性のことは、忘れることはないでしょう。
専門職として、人として、自分にできることは何か。
常に敏感であり続けたいです。
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